【審査について】第二回伊丹カリヨン作曲コンクール
- Carillon Association
- 5 日前
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📔大政直人 審査員代表 講評
今回は25曲の応募がありました。募集要項で「誰にも愛される楽しい作品、美しい作品」という事を記載したため、どの作品もとても聴きやすいものが集まったと思います。あとはその内容がただ平易なだけでなく、ブルグミュラー25の練習曲のように、
内容を伴ったものであるかどうかがポイントになりました。これは言うのは簡単ですが、とても難しい課題である事は言うまでもありません。
おそらくその兼ね合いをどうするかで、5人の審査員の評価が分かれたのだと思います。
第1次審査で曲数を絞り、第2次審査を行いましたが、その結果に対して何人かの審査員から異議が出たため、それまでは10点満点で1点刻みの採点でしたが、改めて第3次審査を行い、残った9曲に対して、今度は第1位から第9位までの順位を付ける、という採点方法を採用しました。その結果、2曲の入賞作品と入選6作品が選ばれました。
審査員はベルギー、ポーランド、ドイツ、アメリカ、日本の5名で、それぞれに感じ方の違う、しかし優秀な演奏家と音楽家が集まりましたので、広い視野に立った審査が行えたと感じています。
これからも伊丹市のカリヨン(フランドルの鐘)のためにご支援を頂ければ幸いです。
審査員代表 大政直人
👨🏫審査員紹介

東京藝術大学大学院作曲専攻修了。2005年、銀座王子ホールにおいて個展を行い、この時のライブCDはレコード芸術誌で特選盤に選定される。2022年5月にはベルギーのメヘレン市にある王立カリヨン学校から創立100周年のためのカリヨン作品の委嘱を受け、世界遺産である聖ロンバウツ大聖堂で初演される。その他カリヨン作品は世界各地で演奏されている。
日本作曲家協議会理事、全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)正会員、大阪芸術大学非常勤講師。日本カリヨン協会理事。

ジェフリー・ボッシン(Jeffrey Bossin, 1950年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ)は、音楽学者・カリヨン専門家。ロシア鐘芸術協会の創設メンバーであり、国際カリヨン組織「ユーロカリヨン」においてドイツ代表を務める。
アメリカ・リバーサイドのカリフォルニア大学でカリヨン教育を受け、1986年にベルリンの「ハウス・デア・クルトゥーレン・デア・ヴェルト(世界文化の家)」のカリヨン設計仕様を作成。1987年より同カリヨンで定期的に演奏を行い、「CarillonConcertsBerlin」のディレクターとして運営を担う。
ヨーロッパおよびアメリカ各地で演奏活動を展開し、ラジオやテレビでも演奏が放送されている。CD録音や多数のカリヨン関連記事の執筆を行うほか、鐘およびカリヨンに関する講演も多数行っている。

ルック・ロンバウツ(Luc Rombouts, 1962年生、ベルギー出身)は、ティーネン市の市カリヨン奏者、ルーヴェン・カトリック大学の大学カリヨン奏者、そしてルーヴェンのパーク修道院のカリヨン奏者を務める。ルーヴェンの文化遺産プログラム「カリヨン・カルチャー・ルーヴェン」のキュレーターとしても活動。
メヘレン王立カリヨン学校において、カリヨン演奏法、カリヨン史、カンパノロジー(鐘学)の教育に携わる。
著書も多数にのぼり、特にカリヨンの歴史を扱った名著『Zingend brons(歌う青銅)』は高く評価され、2014年に英語版『Singing Bronze: A History of Carillon Music』として刊行された。

モニカ・カジミェルチャク(Monika Kaźmierczak、ポーランド・グダニスク出身)は、グダニスク市の市カリヨン奏者。グダニスク音楽院で音楽理論、教会音楽、合唱指揮を学び、アメルスフォールトのオランダ・カリヨン学校にてアリー・アッベネス、ベルナール・ウィンセミウスの両氏に師事。
2019年以降、グダニスク市によるカリヨン新作委嘱プロジェクトに参加し、ポーランドを代表する作曲家による13曲を毎年9月に初演。これらの作品はポーランド音楽出版社から刊行され、同出版社の現代ポーランド音楽シリーズ〈アナクラシス〉より2枚のCDとしても発表されている。
グダニスク音楽院においてカリヨンおよび関連科目の教育に携わるほか、グダニスク・カリヨン・フェスティバル、カリヨン演奏・作曲・編曲のための公開講座、即興演奏講習会など、さまざまな音楽企画を企画・運営。国内外で演奏活動を展開し、特に現代音楽作品の演奏にも積極的に取り組んでいる。

アレックス・ジョンソン(Alex Johnson)は、シカゴ大学の大学カリヨン奏者。20名の学生を指導しながら、同大学ロックフェラー記念礼拝堂に設置された72鐘・総重量100トンのローラ・スペルマン・ロックフェラー記念カリヨンを定期的に演奏している。
世界各地で演奏やマスタークラスを行い、作曲家・即興演奏家・現代音楽の推進者としても活躍。近年は「Tower Thoughts」カリヨン新音楽フェスティバルを企画・主催し、25名の作曲家、14名の演奏者を迎え、11の世界初演を含む全46作品を発表した。
ベルギーのメヘレン王立カリヨン学校「ジェフ・デナン」、フロリダ州ボック・タワー・ガーデンズ、ロチェスター大学で学び、同大学では物理学の学位を取得。2019年、世界で最も権威あるカリヨンコンクールである「国際クイーン・ファビオラ・カリヨン・コンクール」で第1位を受賞。




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